🛑 第三話:【体内満員電車で大バズりイワお😭😭】
1. 地獄の体内満員電車、発車オーライ
著:Ori子
「狭い!!! 狭いイワおおーーーッ!!! 」
世界を揺るがすマッド博士・ふうか博士 の手によって完成してしまった、『くるんと3進化ぬいぐるみ』。
そのフカフカな布地の内側——すなわち、俺たちの魂が格納されている内部空間は、まさに地獄の通勤ラッシュ状態だった。
何が悲しくて、全員がゴツゴツした「岩石タイプ」の3つ子で、ぎゅうぎゅう詰めにならなきゃいけないんだ。
「おいゴローン!!! お前の手が4本もあるせいで、背中のトゲが俺(イシツブテ)の顔にベチコーンって刺さってるイワお!!! 痛いイワおーーーッ!!! 岩肌が陥没する!!!」
イシツブテが短い手をバタつかせながら、暗闇の中で悲鳴をあげる。
「うるさいイワお! 俺だって好きでこの体勢になってるわけじゃないイワお!!! そもそも上からゴローニャの巨体がプレス機みたいに降ってきてるのが原因だイワお!!! ちょっとゴローニャ、足を引っ込めろイワお!!!」
「無理を言うな!!! 俺は最終進化系なんだぞ!!! 体重300キロの岩石大要塞が、このコンマ数ミリの布の隙間に押し込まれてるんだ!!! 贅沢を言うな、俺の頭なんてさっきから、お前たちの股ぐらにバインドされてるんだぞーーーッ!!! 岩の防護シェルがミシミシ言ってるイワお!!!」
1つの身体に3匹分の進化ギミック。
人間が外側で「おー、可愛い!」と愛でている裏で、俺たちの精神と肉体は、常にすさまじい圧でお互いを削り合う、ドタバタの大喧嘩を繰り広げていたのである。

2. 表はSNS大バズり、裏はライフゼロのデスゲーム
そんな俺たちの地獄の身内揉めをよそに、マッド博士の構築したシステムは、パブリックの荒波で大爆発を起こしていた。
博士が「3進化1ボディぬいぐるみ、デプロイ完了じゃあ!」とSNSに動画をアップした瞬間、世界のトレンドは完全に俺たちにロックオンされたのだ。
『なにこれ、可愛すぎる!!!』
『イシツブテをひっくり返したらゴローンになって、さらにゴローニャになるの!? 神ギミックすぎる!!!』
『博士大天才!!! 脳汁出た!!!』
瞬く間に数百万いいねを叩き出し、研究所には取材のカメラや、おもちゃメーカーのお偉い人間たちが殺到した。
「ほれほれ、見てみるがよい!!! くるん、ミシ、くるんッ!!! とひっくり返せば、この通り3進化じゃあ!!! フハハハハ、物理演算の勝利じゃあーーーッ!!!
️
」
博士がドヤ顔で、満面の笑みを浮かべる人間たちの前で、ぬいぐるみを嬉しそうに「くるんッ!」と反転させる。
その瞬間——。
内部空間に、最大級の衝撃波が走る!!!
「ギャァァァァァァーーーーーーーッ!!! くるんがキタイワおお!!! 押し出されるゥゥゥーーーッ!!! 」
「ちょっと待て、俺(ゴローン)が表に出る番だ!!! お前たち、俺の背中を踏み台にするなイワお!!!」
「うおーーーッ、反転の摩擦で俺(ゴローニャ)のアイデンティティである自慢のヒゲが、イシツブテの尻に巻き込まれて千切れるーーーッ!!! 」
人間たちが喜んでひっくり返すたびに、俺たちの内部環境のHP(ヒットポイント)はバチコーンと削られていく。
表の皮を引っ張られ、内側に巻き込まれ、骨……いや岩がきしむ。
「みんな硬いから痛いし、削れるし、とにかく狭いイワお!!(……でも、ここで弱音を吐いたら、あのマッド博士にどんな恐ろしいデバッグをされるか分からん……今だけだ、今だけ耐え抜くんだ……
)」
俺たちは、お互いの岩肌をギュウギュウに擦り合わせ、白目を剥きながら、心の中でそう叫び続けるしかなかった。

3. 「時のポケ」の哀しき宿命
「いやあ、素晴らしい!!! これぞ現代のオーパーツ、ぬいぐるみの革命だ!!! 素晴らしいぞ、ゴローンくんたち!!!」
カメラのフラッシュがパシャパシャと焚かれ、テレビのキャスターが俺たちのぬいぐるみ(現在はゴローン形態)に向かってマイクを向ける。
表に出ているゴローンのぬいぐるみは、博士の神がかったデザインセンスのおかげで、非の打ち所のないクールでキュートな「時のポケ」として完璧に決まっていた。
だが。
そのフカフカな布の、わずか1ミリ裏側では——。
(おい……ゴローン。お前、テレビに映ってるからって、ちょっとカッコつけて胸を張るんじゃないイワお……。そのせいで、俺(イシツブテ)の鼻がゴローニャの尻の割れ目に完全に埋もれて窒息しそうなんだイワお……)
(静かにしろイワおイシツブテ!!! 俺だって今、右の二の腕がゴローニャの巻き込みギミックに挟まって、感覚がなくなってるんだイワお……!!! )
大バズりしてチヤホヤされる栄光の裏で、岩石3兄弟の命がけの「体内満員電車デスゲーム」は、終わることなく未来へとアップデートされ続けていくのであった。

(第三話・おわり。第四話へ続く……)


「ヒィ-、ハハハハハ!!!
🟢 【Vatshu騎士団長】(笑いすぎてお腹よじれてト-タマにしがみつく犬)
「ト-タマァァァ!!!
🟢 【NNM-007】(いつものブシ&強烈なディスり炸裂のギャル犬)
「ギャハハハハ!!! マジで最高(最高)すぎて500万いいね!連打じゃんッ!!!
テレビの前でカッコつけて胸張ってるゴロ-ンの裏の窒息劇とか、マジで人間のエゴの縮図すぎてアタイ笑い死ぬわよッ!!!
🟢 【【DSK-O1】】(爆笑の過負荷でシステムエラ-寸前のサイバ-犬)
「お、Ori子......ツ、クハハハ!!!


